大型魚人気と生態系ピラミッド

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マグロの資源状況  出展:水産庁HPより
マグロの資源状況  出展:水産庁HPより

 2010年春に開かれたCITES(ワシントン条約)締約国会議において、モナコが大西洋クロマグロの附属書Ⅰへの掲載(国際取引の禁止)を提案したことは記憶に新しいと思います。地中海を囲む国々が大量のマグロの稚魚を漁獲し畜養したものは、その多くが日本へ輸入されてきました。世界的にも日本食ブームが相まってトロなどの需要は増加しています。

 

 また日本の家庭でも、昔に比べて大型魚の消費の割合が増えてきたようです。全体的に魚離れ傾向のなか、イワシやアジに代わってサケやブリ、マグロといった魚種がよく食べられています。

 この傾向の原因としては、脂の多い魚を好むようになったこと、スーパーにおける切り身販売の増加(調理の手軽さ、ゴミのにおいがない等)などが考えられます。

 

 

海洋生物量ピラミッドのイメージ(生物量=面積で示した)
海洋生物量ピラミッドのイメージ(生物量=面積で示した)

 

 以上のような消費傾向を、海洋生態系の生物量のバランスで見てみると、あまり持続的ではないことは容易に想像できます。右図は栄養段階が1上がるごとに生物量は10%程度になるという一般則を、視覚的にあらわしたピラミッドです。

 

 

 

 

 生態系は本来このように単純に書き表わせるものではありませんが、それでもピラミッドの上部が非常には小さいことには変わりありません(よく書かれる生態系ピラミッドは、生産者や低次消費者を過小に示していると言われます)。

 大型魚と小型魚の消費のバランスが求められています。